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<内容紹介>
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。
時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。
漢詩は和歌や俳句とともに、永く日本人に親しまれて来た文学形式ですが、漢字ばかりで作られるため、気おくれしてしまう人もおられるようです。
が、そのいかめしい外見から一歩中に入ってみると、まことに多彩で魅力ある世界が現れて来ます。
それは或る種の果物に似ています。西瓜(スイカ)の、あの固い緑色の外皮の中には赤くジューシーな果肉が、また荔枝(ライチ)の、あの固いトゲだらけの、茶色の外皮の中には、丸くて白く、甘い果肉が包まれています。
このシリーズは、漢詩のそのような果実をなるべくわかりやすくお伝えするもので、名作の数々を、時代背景や作者の境遇と合わせてお話ししてゆきます。
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地は、まさしくファンタステイック!と言えるでしょう。
〈第十回 ゆれる心〉
李白は数年間、金陵(江蘇省南京市)に滞在したあと、天宝12年(753)ごろ宣城(安徽省宣城市)や秋浦(同・貴池市)を訪れています。このあたりは風光明媚で気候もよく、銘酒の産地でもあり、李白はその生涯を通じて何度も足を向けました。
この時期には彼自身の不平不満の思いが強く反映された雑言古詩「宣州の謝眺楼にて校書朱叔雲を餞別す」)、先人たちの残した文化遺産とともに生きようという思いを吐露した七言絶句「独り敬亭山に坐す」、また都長安への断ちがたい思いを詠んだ五言古詩「胡人の笛を吹くを観る」など、李白の心のゆらぎを見せるものが目立ちます。有名な七言絶句「山中問答」「山中にて幽人と対酌す」も、この時期の作でしょう。
<収録作品>
宣州謝朓楼餞別交書叔雲
独坐敬亭山
観胡人吹笛
山中問答
山中与幽人対酌