一寸法師

audiobook (Unabridged)

By 楠山 正雄

cover image of 一寸法師
Audiobook icon Visual indication that the title is an audiobook

Sign up to save your library

With an OverDrive account, you can save your favorite libraries for at-a-glance information about availability. Find out more about OverDrive accounts.

   Not today
Libby_app_icon.svg

Find this title in Libby, the library reading app by OverDrive.

app-store-button-en.svg play-store-badge-en.svg
LibbyDevices.png

Search for a digital library with this title

Title found at these libraries:

Loading...

子供のない老夫婦が子供を恵んでくださるよう

住吉の神に祈ると、老婆に子供ができた。

しかし、産まれた子供は身長が一寸(現代のメートル法で3cm) しかなく、

何年たっても大きくなることはなかった。子供は一寸法師と名づけられた。

ある日、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言い、

御椀を船に、箸を櫂にし、針を刀の代わりに持って旅に出た。

京で大きな立派な家を見つけ、そこで働かせてもらうことにした。

その家の娘と宮参りの旅をしている時、鬼が娘をさらいに来た。

一寸法師が娘を守ろうとすると、鬼は一寸法師を飲み込んだ。

一寸法師が鬼の腹の中で針を刺すと、鬼は痛いから止めてくれと降参し、

一寸法師を吹き出し、持っていた"打出の小槌"を置いて山へ逃げてしまった。

一寸法師は 打出の小槌を振って自分の体を大きくし、娘と結婚した。

さらに 打出の小槌でご飯と、金銀財宝も打ち出し、そして末代まで栄えました、とさ。

-

■楠山正雄(くすやま・まさお)

東京銀座生まれ(1884~1950)。早稲田大学時代に坪内逍遙や島村抱月に師事。

大学卒業後の1907(明治40)年、早稲田文学社に入り編集者としてのキャリアを始める。

そして読売新聞社を経て、1910(明治43)年、冨山房に入社。そこで「新日本」の

編集主任として励むかたわら、一方で逍遙の「文芸協会」に参加し、評論あるいは

翻訳劇脚本家として活躍する。文芸協会解散後も抱月の芸術座に続いて参加し、

しばらく編集者と演劇人の二足のわらじを履いていたが、1915(大正4)年、

冨山房社長の命を受け、「模範家庭文庫」の担当となる。親交のあった岡本帰一に

ヴィジュアル面を託し、他人の原稿を編集するうち、児童文芸への意識が高まっていく。

やがて自らも文庫の執筆に手を出し、また児童向けの創作や翻訳も意欲的に行う。

1945(昭和20)年の終戦後は、様々な文化が復興の力に湧き、正雄も演劇界・

児童文芸界双方に尽力する。

一寸法師