霜柱

audiobook (Unabridged)

By 山本 周五郎

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山本周五郎は「文学には"純"も"不純"もなく、"大衆"も"少数"もない。ただ"よい小説"と"わるい小説"があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。

その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。

<あらすじ>

次永喜兵衛は家名を次ぎ、江戸から国許にやってきて九十余日。婚約者にも家にも不満はない。

しかし、家を提供してくれた繁野兵庫は、とにかく口やかましかった。

温厚だという周囲の評価とは反対に、子どもを叱るように小言をいい、怒鳴りつけ、些細な過ちも見逃さなかった。

喜兵衛は雪ノ井という小料理屋で従兄弟の金之助にたまりにたまった不満を吐きだした。金之助は子供のいない兵庫が喜兵衛のことを自分の子のように思っているからではないかという。

金之助が帰った後、喜兵衛は女中のおかやから、兵庫の息子の義十郎のことを話した。兵庫は年を取ってから授かった息子可愛さに義十郎を甘やかしてしまい、遂には勘当せねばならないほどの放蕩息子に育ってしまったのだという。それを聞いた喜兵衛は兵庫の心情に少し同情的な思いになる。

その十日ほどのちの夜のこと、喜兵衛のもとに義十郎を名乗る男が現れるのだが......。

山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)

1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。

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