評釈堪忍記

audiobook (Unabridged)

By 山本 周五郎

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山本周五郎は「文学には"純"も"不純"もなく、"大衆"も"少数"もない。ただ"よい小説"と"わるい小説"があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。

その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。

<あらすじ>

庄司千蔵は、短気で喧嘩が大好きだった。その行動は傍若無人もいいところで、すぐに手を上げては方々に迷惑を掛けて回っていた。

伯父の駒田紋太夫はそんな千蔵のことを案じていた。癇癪持ちな自身も千蔵に散々な目に遭わされた身である。

ある日千蔵は、初めての城勤めを前に紋太夫から意見をされた。

「人間には堪忍袋というものがある」

それをぎゅっと締めて、相手の身になって考え、人を尊敬し、人の意見を重んじ、寛厚に付き合い、過ちを許し......紋太夫は事細かに言って聞かせ、念を押した。

それから千蔵はきっぱりと喧嘩をやめ、大きな堪忍袋を腹の中に抱え我慢するようになる。城勤めの中で知らされる現実の世知辛さと、人生の厳しさを思い知りながらも、千蔵は耐えに耐えた。しかし......。

山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)

1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。

評釈堪忍記