春三たび

audiobook (Unabridged)

By 山本 周五郎

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山本周五郎は「文学には"純"も"不純"もなく、"大衆"も"少数"もない。ただ"よい小説"と"わるい小説"があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。

その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。

<あらすじ>

17歳で美濃の国大垣藩恩田持ちの貧乏徒士である和地伝四朗に嫁いだ伊緒。しかし、結婚してたった30日ほどで伝四朗は、「おれが討死したら、離別して実家へもどってほしい」という言葉を残して、暴徒を鎮めるため肥後の国天草に出陣する。伊緒は年老いた姑と病気がちな義弟の郁之助のために、必死で家を守り続ける。しかし、やっと凱旋してきた人々の中に伝四朗の姿は無かった。死傷者の記名にも伝四朗の名は無く、死体も遺品も見つからなかった。ついには戦場から逃げ出したらしいという評判まで広がるのであった......。

夫の汚名を返上するため働き続ける伊緒の気高く美しい姿をお聴きください。

山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)

1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。

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