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作品について
1921(大正10)年発行の童話集に収録された作品。 その後の童話集にも度々収録される未明の名作の一つ。 未明の作風である、童話に紛れ込む鋭い風刺が光る作品。 一人の少年の不思議な旅の体験を通して、人間と自然の関係について 考えさせられる内容となっている。
あらすじ
「ケー」という名前の少年が、好奇心から「眠い町」を訪れる。
寂れて人も住まず、訪れたものを不思議と眠らせるこの町で、ケーは眠らないように努力するが、結局ぐっすり眠ってしまう。
ケーが目覚めるとあたりは既に夕方で、そばには大きな袋を担いだおじいさんが座っていた。このおじいさんに話を聞くと、おじいさんは眠い町を作った人であるという。そして、担いでいる袋に入っている「疲労の砂」を使って、自然破壊を止めて欲しいと頼まれる。
ケーはこれを引き受け、様々な場所で疲労の砂を使い、工事を中止させたり、暴走した車を止めたり、
線路を錆びさせて使えなくしてしまうなどしながら砂を使いきり、町へ戻ってきた。 砂を使い切れば、おじいさんが町をケーにやろうと話していたのを思い出したからである。
しかし、ケーが眠い町に着くと、町の姿は大きく様変わりしていた。 町には電車が走り、遠くから大きな工場の音が響いていたのである。
小川未明(おがわ・みめい)
1882年4月7日-1961年5月11日
小説家・児童文学作家。本名は小川 健作(おがわ けんさく)。
「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と呼ばれる。
在学中に処女作「漂浪児」を発表し、逍遥から「未明」の号を与えられ、
卒業直前に発表した「霰に霙」で小説家としての地位を築く。
1925年に早大童話会を立ち上げ、1926年以降は童話作家に専念する。