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一:大工の春吉が青年時代に万国博覧会のために洋行したアメリカで遭遇した不思議な話を語り始める。しかし、春吉や大工連中は慣れない船旅で気がめいってしまう。同行していた藤村学士は天草女を見習えと諭すが・・・。
二:いざアメリカはセントルイスに無事到着した春吉は、その見込まれた腕前で、素晴らしい台湾館の建築を成功させる。開幕後も現地で客寄せの文句を連呼し、連日盛況に一役買っていた。 若き大工の春吉は、給仕の娘が気になって仕方がない。そんな折、給仕の娘のうちの二人、チイチイとフイフイがあろうことか、春吉に色目を使い出す・・・。
三:春吉はある夜。チイチイに連れられるがまま禁止されていた博覧会場を抜け出してしまう。どこかでしっぽりとと着いていった先は、表はレコード屋。
奥に進むと豪勢な部屋が並ぶ不思議な屋敷だった。
四:豪勢な部屋に一人取り残された春吉の前に、出し抜けに現れたアメリカ人紳士「カント・デック」。チイチイとの情交を期待していた春吉に、彼は春吉の腕を見込んでとある頼みごとをしてくるのだった。
五:なかなか頼みを聞き入れない春吉に、デックはあの手この手で春吉を了承させようとするが。
六:「じゃぱん、がばめん、ふおるもさ、ううろんち、わんかぷ、てんせんす。かみんかみん」聴きなれた文句が気絶した春吉の耳に聞えてきた。春吉の救出劇が始まった。
七:無事救出された春吉は日本への帰路に着く。船旅は平和に進んでいた。「世界の丸っこい道理」は紙袋の中でひっそりと開かれるのを待っていたのだが・・・。
<b>夢野久作(ゆめの・きゅうさく)b>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。
現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。
日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。