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第四十五帖 橋姫 はしひめ
薫 二十~二二歳
主な登場人物 大君、中の君
しめやかにこころの濡れぬ川霧の 立ちまふ家はあはれなるかな
そのころ宇治の山荘に八の宮(はちのみや)という親王がいた。光源氏の弟で高貴な身分であったが、政権が移って無勢力となり、零落の運命をたどっていた。妻を亡くし、残された二人の姫君を養育している八の宮は、在俗のまま深く仏道に帰依していた。
その噂を聞いた薫(かおる)は八の宮を慕い、宇治に通うようになる。
ある秋、薫は二人の姫君が琵琶と琴を合奏している姿をかいま見て、心を動かされる。応対した大君(おおいきみ)に心惹かれる薫だが、代わりに出てきた老女房の弁(べん)がかつて柏木に仕えていた者だと知る。薫は弁から自分の出生の秘密を聞き、大きな衝撃を受ける。しかし、母女三の宮(にょさんのみや)が無邪気に経を読んでいる姿を見て、自分が真実を知ったことを胸の内に納めるのだった。