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第五十帖 東屋 あずまや
薫 二六歳
匂宮 二七歳
主な登場人物 中の君、浮舟
ありし世の霧来て袖を濡らしけり
わりなけれども宇治近づけば
薫(は浮舟に興味を持ちながらも外聞をはばかっていた。浮舟の母常陸夫人(ひたちふじん)は薫の意向を聞くが身分違いをおそれて、かねて考えていた左近少将(さこんしょうしょう)を浮舟の婿にしようとする。しかし、左近少将は浮舟が常陸守(ひたちのかみ)の実子でないことを知るとあっさり実子の娘に乗り換えてしまう。
落胆した常陸夫人はひそかに中の君に浮舟を預ける。何も知らぬ匂宮は、たまたま邸内で浮舟を見つけ、すぐさま言い寄るが、中宮の病で急な参内を促され、浮舟はかろうじて危機を逃れる。事情を聞いた常陸夫人は急いで浮舟を別の場所に移す。
薫は弁(べん)を介してそこを訪ね、浮舟と関係を結んでしまう。翌朝浮舟を宇治の山荘に連れ去った薫は、浮舟を山荘に隠しておこうと考える。