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第三十五帖 若菜 下 わかな げ
光源氏 四一~四七歳
主な登場人物 女三の宮、紫の上
二(ふた)ごころたれ先(ま)づもちてさびしくも
悲しき世をば作り初(そ)めけん
柏木はなぐさみにと、女三の宮が飼っている猫を手に入れ、昼夜かわいがっていた。
冷泉帝が譲位して、明石の姫君が産んだ若君が東宮となる。世間は明石一族の並みならぬ幸運をはやしたてるのだった。
ある夜、女三の宮のもとへ行った源氏をあとに一人寝をしていた紫の上は胸の痛みで苦しみ、容体が悪くなる。
一方、柏木は女三の宮ゆかりの女二の宮(にょにのみや)を妻にするが、女三の宮への執心はおさまらず、ついに女三の宮と関係を結んでしまう。女三の宮は柏木の子を宿す。不思議に思った源氏は密通の事実を知り愕然とし、因果応報の恐ろしさを思う。
柏木は犯した罪の重さにおそれおののき、ついには重い病に伏せってしまう。