堀越捜査一課長殿

audiobook (Unabridged)

By 江戸川 乱歩

cover image of 堀越捜査一課長殿
Audiobook icon Visual indication that the title is an audiobook

Sign up to save your library

With an OverDrive account, you can save your favorite libraries for at-a-glance information about availability. Find out more about OverDrive accounts.

   Not today

Find this title in Libby, the library reading app by OverDrive.

Download Libby on the App Store Download Libby on Google Play

Search for a digital library with this title

Title found at these libraries:

Library Name Distance
Loading...

捜査一課長である堀越は課長室で、非常に部厚い配達証明付きの封書を受け取った。

差出人には「関西経済通信」編集長の花崎という名前が書いてあった。

心当たりがない人物からと思いながらも手紙を読んでいくと、北園壮助という男が花崎に託されたと記してあった。

そして、その北園は三日前は亡くなったのだという。

北園壮助という名前を思い出しきれずにいるまま、一気にその中身を読み終えた堀越は驚きを隠せずにいた。

それは渋谷署長時代に迷宮入りとなった、東和銀行渋谷支店で発生した強盗事件についてのことだった。

その事件の秘密が事細かに解き明かされていたのだ。

事件は銀行の現金輸送時を狙って行われた。

突然一人の男が行員に体当たりして、落とした輸送袋を奪い去ったのである。

男は北園の住むアパート「松涛荘」の北園の隣室に逃げてきたが、そこから忽然と消え去ってしまい、

追いかけて来た警察も犯人を取り逃がすことになってしまった。

だが、北園はその犯人が隣人であり、友人である大江幸吉であると気付いてしまう......

江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)

日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。

堀越捜査一課長殿