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伊勢商事の社長・伊勢省吾は秘書である沖晴美を愛人にしており、
妻の友子よりも彼女のことを愛していた。
既に妻への愛情は失っていた。
友子は日輪教という宗教に傾倒しており、資産家の生まれでありながら、
省吾の事業にその富を渡すことは無く、その日輪教にお布施をし続けていたのである。
省吾からは何度か協議離婚を申し出たが断固として拒絶されていた。
12月のある日、省吾と晴美の二人は藤瀬の石材工場の跡へドライブに出かけた。
そのドライブから3か月後の2月下旬、
晴美の住むアパートの一室で、省吾は友子から晴美の元に届いた呪詛のような手紙を読んでいた。
二人の関係に勘付いていた友子であったが、静岡の日輪教支部から届いたその手紙は並々ならぬ執念を感じさせるものだった。
そしてある夜、友子は短刀を手に晴美を殺しにやって来た。
居合わせた省吾は狂乱の妻から晴美を守ろうと、
防御本能からタオルで友子の首を絞めて動きを封じたが、そのまま殺害してしまう......
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。