化人幻戯

audiobook (Unabridged)

By 江戸川 乱歩

cover image of 化人幻戯
Audiobook icon Visual indication that the title is an audiobook

Sign up to save your library

With an OverDrive account, you can save your favorite libraries for at-a-glance information about availability. Find out more about OverDrive accounts.

   Not today
Libby_app_icon.svg

Find this title in Libby, the library reading app by OverDrive.

app-store-button-en.svg play-store-badge-en.svg
LibbyDevices.png

Search for a digital library with this title

Title found at these libraries:

Loading...

二十五歳の青年である庄司武彦は、

今時珍しい「殿様」の気質を持つ元侯爵、大河原氏の秘書として大河原邸の人となった。

探偵小説という共通の趣味があることもあり、

武彦は大河原氏に気に入られ、邸内の事情に通ずることができた。

その中で特別に武彦の注意を惹いたのが、二人の青年、姫田五郎と村越均であった。

いずれも大河原氏が重役を務める会社の少壮社員で、氏から寵を得ていた。

彼らは互いに嫉妬し、敵視しているようだ。

そしてある日、事件が起こった。

姫田が、岬の断崖から墜落死したのだ。

双眼鏡によって目撃されたこの変事は、自殺ではないかもしれない。

大河原氏と武彦、そして警察は殺人の方面で捜査を進める。

しかし、第一の容疑者と目されていた村越までもが変死を遂げる。

一見すると密室での拳銃自殺のようだが、どうも単純な自殺とは考えられない。

姫田と村越、二人の怪死について、捜査は難航する......。

そんな中、武彦は大河原氏の若い夫人、由美子に惹かれ、

ついに関係を持つに至っていた。

ある日、夫人の自室へ訪れた武彦は、彼女の日記帳を発見する。

そこには、夫人の秘めたる遊戯、そして事件への驚愕の推理が綴られていた。

その事実をどう受け止めてよいものか......。

困り果てた武彦は日記帳を手に、私立探偵・明智小五郎のもとへと向かう――。

江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)

日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。

化人幻戯