踊る一寸法師

audiobook (Unabridged)

By 江戸川 乱歩

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公演後のサーカス小屋は酒宴で盛り上がっていた。

体の小さい緑さんは一人酔っぱらって、大賑わいの輪から離れて、舞台の隅からその様子を眺めていた。

すると猿股男が「一緒に飲め」と緑さんを無理に誘ったが、酒の飲めない緑さんは誘いを断った。

気分を悪くした猿股男は緑さんを無理やり捕まえると、酒樽の中に頭から突っ込んだ。

一座の皆もその様をゲラゲラ笑ってはやし立てた。

緑さんへの一座の悪ふざけはエスカレートしていき、

いつの間にか緑さんの心の中にはどす黒い感情がふつふつと湧き上がる。

狂乱の宴の中で......

江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)

日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。

踊る一寸法師