灰神楽

audiobook (Unabridged)

By 江戸川 乱歩

cover image of 灰神楽
Audiobook icon Visual indication that the title is an audiobook

Sign up to save your library

With an OverDrive account, you can save your favorite libraries for at-a-glance information about availability. Find out more about OverDrive accounts.

   Not today

Find this title in Libby, the library reading app by OverDrive.

Download Libby on the App Store Download Libby on Google Play

Search for a digital library with this title

Title found at these libraries:

Library Name Distance
Loading...

庄太郎は友人の奥村一郎に借金を断わられてしまう。

元々諍いの絶えなかった二人だが、感情のぶつかり合いから言い合いが激しく加熱し、

庄太郎はとうとうそこにあった拳銃で奥村を撃ち殺してしまった。

幸いにも、銃声は鳥おどしの空鉄砲に紛れて疑われないと悟った庄太郎は、

どうにか逃げられるかもしれないと思って思考を巡らせた。

庭の中に野球のボールを探しに来た奥村の弟をやり過ごし、拳銃についた指紋をふき取り、どうにか誰にも見つからずに門の外へ出た。

どうにかその場から逃げ出したものの、証拠は隠滅したとはいえ、

状況から自分に嫌疑がかかるのは避けられない。

今にも警察が来るのではないかと、庄太郎は寝床で布団に包まって怯えていた。

しかし、奥村を撃ち殺した時に濛濛と立籠めた灰神楽を思い出し、

逃げ場のない闇の中に一筋の光明を見出す。

それは、彼が嫌疑から逃れうる天啓のように思われ、庄太郎は実行に移すのだが......

江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)

日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。

灰神楽