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第二十五帖 蛍 ほたる
光源氏 三六歳
主な登場人物 玉鬘、紫の上
身にしみて物を思へと夏の夜の
蛍ほのかに青引きてとぶ
玉鬘(たまかずら)の煩悶をよそに、光源氏は玉鬘を求愛する蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)に対して一計を案ずる。蛍兵部卿宮が玉鬘と几帳ごしに対面しているときに蛍を解き放ち、美しい玉鬘の姿を浮かび上がらせた。蛍兵部卿宮はますます玉鬘に夢中になる。
梅雨のころ、六条院の女たちは絵物語を写したり読んだりして退屈をまぎらわせていた。玉鬘もさまざまな物語を読み、自分の数奇な運命をあらためてかえりみる。源氏はそこへやって来て、物語の批評をしながらも巧妙に玉鬘に言い寄るのであった。紫の上は明石の姫君(あかしのひめぎみ)のために配慮をしながら絵物語を取り寄せていた。
二人の娘の将来が思うようにならなかった内大臣(ないだいじん)は、夕顔(ゆうがお)との間にできた娘を思い出し、その行方を気にかけるようになる。