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大学生の相川守はある晩、
妹の珠子とその家庭教師殿村京子の三人で会食に出かけたレストランで、明晩行われる犯罪の話を知る。
殿村が読唇術で向かいの席の「青眼鏡の男」と相棒の秘密の会話を盗み読んだのだ。
次の日の深夜、
守はその会話の中にあった空き家を訪れるが、
そこで目にしたのは5日前に失踪した美人女優春川月子が無残に殺される現場であった。
犯罪を行ったのは「赤サソリ」と名乗る凶悪な犯罪者であり、現場にはその犯罪の証――「悪魔の紋章」として赤いサソリの絵が血で描かれていた。
警察での取り調べが終わった後、その帰り道で守は例の青眼鏡の男を見つけて後をつけるが、見つかってしまい逆に拳銃を突きつけられて脅迫されて、立ち去るように言われる。
男はなぜか守の名を知っていた。
「どうして僕の名を知っているんだ」と虚勢を張る守に男は、
「お前は大切な俺の餌食の兄弟だからね」と言い、さもおかしそうに笑った。
「赤サソリ」の次の標的は、東京屈指の美少女学生として評判の、守の妹・珠子だと明かされた守は、戦慄した......
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。