数学センスが身につく本

ebook

By アルフレッド・S・ポザマンティエ

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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
わたしたちは、テストにパスするために、
数学の本当のすばらしさに触れる機会を逸してきた。

数学のカリキュラムには、生徒が科学や金融や工学や建築、それに日常生活など
(挙げきれないくらいたくさん!)の試練を上手に切り抜けるために欠かせない基本的要素がたくさん揃っている。
ところが学校の授業では、取りあげるべき事柄が多く、着々と前に進めなければならないという緊張感があるせいで、
興味深くて大切でもある数学の概念やトピックや応用法でも、めったに話題にされないものも多い。
 たとえば、銀行に預けた元金に対する利率の効果を計算する方法を習うことがあったとする。
それでも「72の法則」を利用して、銀行口座に預けた金が倍になるまでにどのくらいの時間を要するのかを知る方法までは習わないはずだ。
幾何学的現象にも、驚くほどシンプルでありながら、ひとえに時間が足りないという理由から、教室ではめったに教えられないものがたくさんある。
円に内接する四角形が持つ性質もそうだ。
たとえば、四角形の対角線と辺の間には、対角線の積は対辺の積の和に等しい、といったすばらしい関係がある
(ただしこれは四角形の4つはじめにの頂点が同じ円周上にあるときに限られることをくれぐれもお忘れなく)。
 代数をさまざまに利用すると、数学的に興味深い多くの事柄が説明できる。
それを初めて目の当たりにした人はただ驚くばかりだ。
たとえば、数を見てそれが3で割り切れるかどうかを判断する方法を知っている人はたくさんいるかも知れないが、
その「からくり」まで知っている人はそう多くはない。
でも、その方法がなぜうまくいくのかを知ることは、それをどう使うのかと同じくらい重要なはずだと私たちは考えている。
そうすることは、ほかの数で割り切れるかどうかを判定するルールを考える助けになるはずだからだ。
 確率論は、近年存在感を増してきているトピックだ。
意外で反直観的な応用法もたくさんある。
ひどく直感に反する結果を示すものに「誕生日問題」がある。
これは、部屋のなかに30人いるとすると、そのうち2人の人の誕生日が同じであるという意外に思えることが、
なんと70パーセントの確率で起こることだとわかる。
そして、おそらくもっと驚くべきことは、55人のグループとなるとその確率が99パーセントになることだ。
 日常生活に応用できるものなのに、触れられずに終わってしまうことも多い。
たとえば、掛け算を暗算する機械的アルゴリズムだ。
たとえ電卓が手軽に使えるとしても、暗算で答えを出す器用さは強みになるはずなのだが、現在の技術世界ではどうもあまり重要視されないようだ。
本書では、あえてこの空白を埋めたいと思う。
 このように、授業では触れない事柄のなかに、数学の本当のおもしろさ、本当の価値が潜んでいる。
だからこの度、本書をきっかけにして、幅広い読者のみなさんには、かつて得られなかったチャンスを取り戻してほしい。
数学センスが身につく本