彼女は、彼のことなど決して欲してはいなかった・・・ スキャンダルで名を汚され、クローディア・アクフォードは、残酷な獣との結婚生活を生き延びてきた。未亡人となり、彼女は社交界に再び地位を確立しようと決意するのだが、そこに、魅惑をそのまま体現しているようなシリントン卿が現れる。優しく紳士的でありながら、男らしく罪深いほどに凛々しい。彼は、申し分のない愛人になるはずなのだが、彼は、彼女が与えられる以上のものを求めている。 彼は、彼女を求めていた・・・ ヘンリー・シリントンは、美しく、しかし悪名高いクローディア・アクフォード未亡人のことは、少しばかり耳にしたことのある程度であったが、彼女の優しい心と博雅で軽妙な物腰に、心奪われてしまう。彼女と時を共にすればするほど、彼は彼女との未来を夢見るようになっていく。しかし、この婦人は彼の誉ある申し出を拒絶し、そして、彼には、愛人を得ることは決して受け入れられないことなのであった。 心に鎧を纏った二人に、過去の痛み、かつてのスキャンダル、社交界の醜聞を乗り越え、真実の愛を手に入れることはできるのであろうか？