新宿警察(10) あたしにも殺させて: 本編

ebook

By 藤原審爾

cover image of 新宿警察(10) あたしにも殺させて: 本編

Sign up to save your library

With an OverDrive account, you can save your favorite libraries for at-a-glance information about availability. Find out more about OverDrive accounts.

   Not today

Find this title in Libby, the library reading app by OverDrive.

Download Libby on the App Store Download Libby on Google Play

Search for a digital library with this title

Title found at these libraries:

Library Name Distance
Loading...
シャリーと呼ばれるその娘は、少女売春のかすりを取るような顔役だった 一人二人でなく、数人の女の声がする。ほとんど同時に、どっと乱闘がおこったような音が聞えてきた。ちょうど根来が歩いている右側の路地からの騒ぎである。それで根来は、反射的に駈けだし、その路地の中をのぞいた。瞬間、目の前に、若い女が立ちはだかった。はっと根来が立ちどまると、まだ十六、七の黒っぽいツナギのような服のスケバンらしいのが、「見世物じゃないよ、いきなっ」と白い顎をしゃくった。(本文より) 日本の警察小説史上に輝く最大の金字塔、「新宿警察」シリーズが全集として電子で復刊! 本書は長篇「あたしにも殺させて」を収録。巻末に書評家・杉江松恋による解説を収録。 *あたしにも殺させて ●藤原審爾(ふじわら・しんじ) 1921年、東京都生まれ。「小説の名人」と讃えられ、純文学から中間小説、推理小説、犯罪・スパイ小説、歴史・時代小説、恋愛小説など多種多様なジャンルにまたがって作品を発表。初期の代表作『秋津温泉』や、『泥だらけの純情』『新宿警察』など、映画・ドラマ化された作品も数多い。1952年「罪な女」等で第27回直木賞を受賞。 監修:杉江松恋(すぎえ・まつこい) 1968年、東京都生まれ。ミステリーなどの書評を中心に活動中。著書に海外古典ミステリーの新しい読み方を記した書評エッセイ『路地裏の迷宮踏査』(東京創元社)、『読み出したら止まらない 海外ミステリーマストリード100』(日経文芸文庫)など。2016年には落語協会真打にインタビューした『桃月庵白酒と落語十三夜』(KADOKAWA)を上梓。近刊にエッセイ『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)がある。
新宿警察(10) あたしにも殺させて: 本編