のはらでさきたい: 本編

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By 久保田昭三

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久保田昭三詩集ジュニアポエム 22発行:'84.8著者:久保田 昭三 画家:斎藤 彬子判型:A5 ページ数:80出版元:銀の鈴社発売元:銀の鈴社ISBN978-4-87786-022-6むかし、石を投げつけてけものや鳥をしとめていたころ、腕をいためた男は、それがしぜんに回復するのをまつあいだ、なにをしていたろう。石けりをしたり、おはじきをしたり、手のなかの小石を鈴のようにならしたりして、あそんでいたかもしれない。右の方を半年ほど病んだことがある。この詩集におさめられたほとんどの作品は、鉛筆をにぎるのも苦痛だったそのころ、ことばを小石のようにころがして、「うた」と名づけたノートに書きとめておいたものである。たまには病むのもいい。一年生のときのことだが、戦前だったから「唱歌」という時間があった。先生のひくオルガンにあわせて、ひとりずつ立って歌うことになった。これも戦前だったから「へいたいさんは、だいすきだ」という歌だったが、わたしは「へいたいさんは、なにすきだ」とおぼえていて、そう歌った。みんなから、わあっとはやされ、つぎの子が歌うのをきいて、はじめてまちがいを気づいたのだが、あいてを好きだというのと、あいてはなにを好きだろうというのでは、たいへんなちがいではないか。三十一編をえらんで、あらためて読みかえしたあとで、そこに見つけたのは「なに、すきだ」とした三つ子の魂である。まよわず、「のはらで さきたい」を書名とした。この一冊が小さい読者にとどけられるまでのあいだ、どんなにおおくの人たちの、あたたかい手にかかることだろう。おせわになる人たち、そして紙となり本となるために切られた樹々たちに、あつい感謝のおもいをおくろう。ーあとがきより抜粋ー◆もくじ◆ひよこや スワンのうた・あかとんぼ・もぐらの あな・ばけるの やめた・いちごや じゃがいものうた・かぶら・ひまわり・ひばり・スリッパや ぶらんこのうた・ちっちゃなうみ・ふくれて ふう・なぞなぞ・キッチンで・だれの たまご・テストのてん/ほか
のはらでさきたい: 本編