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鎌倉には『源氏物語』と『万葉集』という二大古典の貴重な知的遺産が制作される土壌がありました。紫式部が書いた『源氏物語』しかし、紫式部自身の手書き原稿が残っているわけではありません。昔の人が「写本」として書き残してくれて、今に引き継がれているのです。二大写本のひとつ「河内本源氏物語」は鎌倉でつくられました。考古学を学んだ著者の新たな切り口から、鎌倉における『源氏物語』の成立過程を辿る研究書です。著者は早稲田文学新人賞受賞の面目躍如、作家魂はタイムトンネルをくぐりぬけ、流れる筆力で当時の人々を取材しているかのようです。歴史の彼方に色濃く残る平家の王朝文化。鎌倉と京の有識者たちの交流図を付して解明していきます。鎌倉にはかつて『尾州家河内本源氏物語』という重要文化財にも指定される立派な写本が存在しました。そして『西本願寺本万葉集』という、現在刊行されている『万葉集』のすべての底本になっている写本も。二つの写本は鎌倉時代、鎌倉の地で制作されたのです。鎌倉の滅亡とともに流失して、今では鎌倉の人たちでさえ知らない状況になっています。鎌倉は武士の都といわれますが、この写本の存在が雅な文化もあったことを語ってくれています。◆もくじ◆口絵はじめに鎌倉歴代将軍の京の文人との交流関係図参考文献第一章 源氏物語と鎌倉ー「河内本源氏物語」に生きた人々ー第一部 紅蓮の章・・・京都第二部 白蓮の章・・・鎌倉第三部 蓮華の章・・・『尾州家河内本源氏物語』の成立へ第二章 論考一. 北条実時と『異本紫明抄』はじめに宗尊親王下向以前宗尊親王下向以降起筆までむすび二. 『源氏物語』二大写本に秘めた慰籍 ー『平家物語』との関係をめぐってーはじめに源光行と「河内本源氏物語」の場合藤原定家と「青表紙本源氏物語」の場合まとめ三. 北条実時と『西本願寺本万葉集』 ー『尾州家河内本源氏物語』との関係をめぐってーはじめに源範頼系の比企氏との慈光寺ー『吉見系図』からー比企能員系の比企氏と仙覚ー『比企系図』からー仙覚と国宝「慈光寺経」北条実時と『西本願寺本万葉集』ーまとめに代えてー論文初出誌忘れられた書物の歴史ーあとがきに代えてー