南北の東海道四谷怪談

ebook 本編

By 田中貢太郎

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日本三大怪談のひとつ、四世鶴屋南北の歌舞伎「東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)」を、田中貢太郎らしい簡潔な文体で短くまとめた再話小説。登場人物紹介お岩:夫の伊右衛門に裏切られて毒を飲まされ、醜い姿となって死ぬが、怨霊となって伊右衛門を苦しめる。民谷伊右衛門:お岩の夫。裕福な家の娘であるお梅と結婚するために、殺人を重ねる。しかし、お岩の祟りにあい、錯乱してさらに凶行を重ねていく。四谷左門:お岩の父。伊右衛門に最初に殺害される。お袖:お岩の妹。四谷左門の養女。幼い頃に生き別れた兄を探している。佐藤与茂七:お袖の夫。主家が断絶して浪士となり、身をかくしている。直助:お袖に思いを寄せる薬売。与茂七と間違えて別人を殺害する。奥田庄三郎:与茂七の仲間の浪士。与茂七と間違われて直助に殺害される。お梅:裕福な家の娘。伊右衛門に思いを寄せる。伊藤喜兵衛:お梅の祖父。伊右衛門とお梅を祝言させようとして、お岩に毒を送る。お槇:お梅の乳母。喜兵衛の指図で、お岩のところに毒を持って行く。お弓:お梅の母親。喜兵衛の娘。小平:伊右衛門に殺害され、お岩の不義相手に仕立てられる小厮(武家の下男)。宅悦:按摩。伊右衛門の悪事に協力する。秋山長兵衛:伊右衛門の悪事に協力する仲間。関口官蔵:伊右衛門の悪事に協力する仲間。伴助:官蔵の中間(武家の召使)。伊右衛門の悪事に協力する。お熊:伊右衛門の母。なお、原作の「東海道四谷怪談」は、1825(文政8)年の初演時には、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」上演の第二演目として、「忠臣蔵」の幕間に演じられた。登場人物のほとんどは「忠臣蔵」の登場人物であり、「四谷怪談」の大詰めで伊右衛門と与茂七が最後の対決をしたあと、「忠臣蔵」の討ち入りの場面が上演され、生き残った与茂七は、そのまま小平の主人(浪士の一人で、小平の幽霊が届けた秘薬によって病から回復した)らとともに討ち入りに参加することになるという段取りだった。その後「四谷怪談」は、再演時からは単独で上演されるようになり、内容も、より怪談の要素や舞台仕掛けの奇抜さが重視されるようになっていったが、当初は「忠臣蔵」の番外編といえる作品であったことは、予備知識として知っておいたほうが筋をつかみやすいだろう。(Hiroshi_O)[文字遣い種別]新字新仮名[底本]怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集[出版社]春陽文庫、春陽堂書店[初版発行日]1999(平成11)年12月20日
南北の東海道四谷怪談