斎藤茂吉の人間誌

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By 小泉博明

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「性」と「生」への強固な執着 人間探究者・茂吉の真相!
斎藤茂吉は高名な歌人で文化勲章受章者であり、青山脳病院の院長として、
その重責を全うした精神科医だった。茂吉が精神医学を学ぶようになったのは、
自らの志望というよりも、養父・斎藤紀一(茂吉は山形の守谷家の生まれ)との
関係での宿縁と言わざるをえない。
茂吉は宿縁に逆らうことなく、当時は「感謝せられざる医者」と呼ばれた精神科医
として、世間から否定的な眼差しを向けられていた病者に寄り添い、
近代国家による衛生国家が推進され、病者への差別や排除があった時代に、
病者の「負のエネルギー」を自ら吸収すべく、責務を誠実に果たした。
また、自身の歌業を「業余のすさび」と称しながらも歌人として認められるに従って、
文学者で医者の先駆者として陸軍統監医になった森鷗外は大きな存在であり、
その影響を受けたのであった。本書では、茂吉の病者への眼差しのみならず、欲望に溢れた「人間」茂吉に焦点を当て、彼の病気観の底流にある死生観を深く考察する。
[目次]
第1章 茂吉の性の諸相 第2章 茂吉のユーモア 第3章 茂吉と手帳 
第4章 精神病医茂吉と精神科医北杜夫 第5章 茂吉の戦争詠
第6章 茂吉の晩年 第7章 茂吉の仏教観 第8章 茂吉と浅草寺
斎藤茂吉の人間誌