思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝

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By ラナ・ゴゴベリゼ

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「女性と時代」を描いてきた映画作家の詩と真実
90歳を超えてなお新作を発表し、ジョージアでもっとも重要な映画監督のひとりであり続けているラナ・ゴゴベリゼ──その彼女が自らの来し方を「思い出されるままに」綴った文学的メモワール。7歳のころ、ジョージア共産党の幹部だった父親が粛清され、母親は流刑に処せられたラナは、ひじょうに不安定な世界で幼少期を過ごした。独裁へと至った共産主義に父が深く関わっていたこと、母を失ったこと、これらはいまもなお彼女に影のようについて離れず、とりわけ後者は、映画作品の中で彼女が幾度となく立ち返るテーマとなっている。
文学を愛した少女はいかにして母と同じ映画の道へと至り、そして、父と同じく人びとの未来を想い、国家の混乱期に政治家となることを選んだのか──波乱に満ちた日々のなかで、彼女はそれでもつねに気高く、己の精神に忠実であろうとし、また、その生にはいつも詩が寄り添ってきた。ヨーロッパとソ連/ロシアの狭間で翻弄されるジョージアの20世紀が、映画作家の個人史を通して、まさに「言葉に示されたこの世の像」(パステルナーク)として立ち現われる。母ヌツァが流刑先での経験を綴った短篇小説を併録。
[目次]
ラナ・ゴゴベリゼの家系図
ジョージアとその周辺
 日本語版への序文
〈私は夜、追憶の微かな足音に 耳を澄ます道のよう......〉
バルノヴィ通り二十六番、ボヴィザージュ夫人とエリュアールの詩「自由」
子供の目から見たソ連の奇妙な暮らし
§ 母の短篇「幸福の列車」
伯父ラジデン──子供時代の崇拝と愛
§ 母の短篇「三色スミレ」
なぜか「バブ」(おじいちゃん)と呼ばれていた祖母エヴドキア
§ 母の短篇「二度の変貌」より(一)
運命に結びつけられた二つの家族
§ 母の短篇「二度の変貌」より(二)
恐怖政治への応答としての「ジョージア人の陽気さ」
第二次世界大戦、エドガー・アラン・ポー、『ギオルギ・サアカゼ』、パアタの首
戦時下のピオネール宮殿──ソ連の暮らしにおける一つの逆説
私を監視していた秘密警察員
詩作という伝染病
§ 母の短篇「ペチョラ川のワルツ」
初恋
終戦、私の「恩赦」と特殊売店の白パン
§ 母の短篇「アズヴァ・ヴォムからコチマスまでの徒行」


私の大学、山の発見
ウォルト・ホイットマン、あるいはシャルヴァ・ヌツビゼはソ連の検閲をいかに欺いたか
ラド
モスクワ、全ソ映画大学、ゲラシモフらとの出会い(ブーロフ、ミコヤン、セルゴ・ロミナゼ)
地下出版物──明かした夜、アンナ・アフマートワ
パステルナーク
スターリンの死
私のモスクワの友人たち、母の三人の「囚人仲間」
シャルマン
セルゴ・ツラゼ──パリから来たジョージア人
映画人生、検閲、禁止......、そして私の初期の作品
六〇―七〇年代──ジョージア芸術の発展期、映画祭、ジョージア訪問を許されなかったフランシス・フォード・コッポラ
パリ、一九六九年、覚書
再び映画人生、中央委員会第一書記との面会も
イタリア、一九七四年、覚書(フェリーニ、アントニオーニ、ザヴァッティーニと)
タゴールの故郷で、サタジット・レイとの面会
セルゲイ・パラジャーノフ、ムタツミンダ地区の彼の驚くべき家を我々はいかに失ったか
『インタビュアー』、サンレモ映画祭、ラドの死
ジョージアは言語を守った
新しく得た友人たち
テンギズ・アブラゼの『懺悔』
『昼は夜より長い』、一九八一年、覚書
映画祭――ベルリン、カンヌ、東京、リオ・デ・ジャネイロ
『ペチョラ川のワルツ』──過去との決別
一九八九年四月九日
〈死の道も薔薇色の道にほかならない......〉
独立の夜明け、メラブ・ママルダシヴィリ、またもや敵探し
一九九四年、覚書
欧州評議会、すなわちヨーロッパでのジョージアの大いなる挑戦
結び
訳者あとがき
思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝