MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Volume88(2025年冬号)

ebook Military Classics

By イカロス出版

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【電子版では、紙の雑誌と一部内容が異なる場合、掲載されないページや特別付録が含まれない場合がございます】
【巻頭特集】
秋月型防空駆逐艦
1935年(昭和10年)、英海軍は旧式巡洋艦を防空巡洋艦に改装して試験を実施。それに刺激を受けて、日本海軍でも昭和13年には空母に随伴して対空・対潜護衛に当たる、駆逐艦クラスの「直衛艦」の検討が始まった。軍令部の当初案では長10cm連装高角砲4基8門と爆雷兵装を装備、35ノットの高速力、18ノットで1万浬の航続性能が要求されていた。しかしこの案を満たすためには公試排水量4,000トンという軽巡並みの艦となるため、速力の要求は33ノットに、航続力は8,000浬に引き下げられた。さらに空母機動部隊の護衛艦として、敵警戒部隊と交戦する際や艦隊決戦時、魚雷が撃てない「直衛艦」は遊兵と化してしまうとの懸念があり、最低限の雷装(四連装魚雷発射管1基)も装備した「防空駆逐艦」となった。
この防空駆逐艦は基準排水量2,700トン、全長134mの大型駆逐艦「秋月型」としてまとまり、昭和14年度の○四計画で6隻が建造された。さらに昭和16年の○急計画で10隻の建造が認められたが、戦局の悪化もあって10隻中6隻が完成し、計12隻が竣工したにとどまった。なお水上戦闘用艦隊型駆逐艦の陽炎型や夕雲型が甲型なのに対し、防空駆逐艦の秋月型は乙型と呼ばれる。
新しいタイプの駆逐艦として期待された秋月型であったが、1番艦の「秋月」の竣工は、主力空母4隻が失われたミッドウェー海戦後の昭和17年6月11日で、秋月型が本来の空母直衛任務に当たる機会はあまり訪れなかった。
本特集では日本海軍初の本格的な防空艦として建造された秋月型を、メカニズム、戦歴、建造の経緯、運用と編制、艦型の変遷、人物など多方面から解説していく。
[第二特集]
WWⅡドイツ対空戦車
陸戦の王者と称される戦車も、戦闘爆撃機など空からの攻撃には弱い。そこでドイツ陸軍では大戦開戦後に、戦車部隊に随伴する自走式の高射機関砲の開発を開始。当初はハーフトラック(半装軌車)を改造し対空機関砲を搭載していた。
しかしハーフトラックは装軌車に比べると機動性が大きく劣るため、戦車の車台に高射機関砲を搭載した自走高射機関砲を開発することとなった。
まずⅣ号戦車の車台を元に、起倒式の戦闘室を備え、2cm四連装高射機関砲を備えた「メーベルヴァーゲン」が試作されたが、威力不足を不安視したヒトラーにより3.7cm機関砲1門への換装が命じられた。そして「つなぎ」として1943年11月から、2cm機関砲1門を搭載した38(t)式対空戦車が開発され、44年3月から3.7cm機関砲1門を搭載したメーベルヴァーゲンが生産された。
だが起倒式の戦闘室は使いづらかったため、オープントップで算盤玉のような戦闘室に2cm四連装高射機関砲を備えたⅣ号対空戦車「ヴィルベルヴィント」が44年7月から生産された。
さらに大威力の3.7cm機関砲を、ヴィルベルヴィントとよく似た砲塔に装備するⅣ号対空戦車「オストヴィント」も開発された。またⅣ号対空戦車シリーズの決定版として、密閉砲塔に3cm機関砲を搭載した「クーゲルブリッツ(球電)」が開発されたが、生産数は数両ほどだった。
これらドイツ対空戦車は多くがノルマンディー戦後に配備され、大戦末期、猛威を振るう連合軍の戦闘爆撃機相手に奮闘し、一定の戦果を挙げている。
本特集では、ユニークな外見でファンの多い第二次大戦のドイツ対空戦車を、様々な面から考察する。
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Volume88(2025年冬号)