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類人猿の生活には、道具の製作と使用、コミュニケーションの能力など、ヒトだけが固有に持っていると考えられてきた様々な特徴や文化の崩芽が見られる。四半世紀余、アフリカや東南アジアでチンパンジーとオランウータンの行動を追った著者が、シロアリ釣り、ボール遊び、共食いなどの観察の記録を通じて、その社会構造を浮き彫りにする。また彼らの生息域である熱帯林が年々危機的な状況にある中、人類のエゴや目先の利害から彼らをどう保護し手を差し伸べていくべきかについても、実体験に基づいて提言する。