■お雪の恋人は、

オール読物　昭和３０年１１月号掲載。シリーズとしては、３５２作目に当たります。

八五郎の大親友、八歳になかわいいお露がさらわれた。

風呂上がりのねむったさきに、邸からいなくなったというのだが。

■登場人物

平次......銭形の平次。岡っ引き。銭占いと投げ銭打ちが得意技。三一歳。

八五郎......ガラッ八。平次の子分。三〇歳の独身

お静......平次の恋女房。二三歳

湯島の友三郎......八五郎を恩人と慕う

お徳......友三郎の女房

茂左衛門......金井屋の支配人

お露......瓦町、八つになる娘。八五郎の友達。行方知れずに。

お雪......お露の遠縁の娘。

徳兵衛......佐原屋の主人

お豊......徳兵衛の女房

宅右衛門......大番頭

鉄蔵......甥、遊び人

助八......遠縁でお店者としてはシッカリしている

森吉......小僧

お為......下女。四十

安宅の三次......やくざ者

■用語集

無二膏......ムニコウ・江戸初期に京都車屋町の外科医である雨森良意が売り出した膏薬。ひび、あかぎれ、はれものなどの皮膚疾患に効能がある。

気性者......キショウモノ・気性が激しい人や、感情の起伏が強い人を指します。特に、短気で怒りっぽい性格の人を表現する際に使われることがあります。

大段平......オオダンビラ・刀

■目次

0:00　お雪の恋人　一

6:17　お雪の恋人　二

11:44　お雪の恋人　三

16:27　お雪の恋人　四

23:21　お雪の恋人　五

30:27　お雪の恋人　六